会長挨拶
    2021年1月23日
   
第39回日本ストーマ・排泄リハビリテーション学会総会開催にあたって
   
 第39回日本ストーマ・排泄リハビリテーション学会総会を2022年2月11日(金)12日(土)に、高松で開催させていただくことになり、高松赤十字病院、中国地方や四国地方のストーマリハビリテーション関係者にとりましても名誉なことと感謝申し上げます。副会長は、香川大学医学部 手術部長の臼杵尚志先生にお願いしました。
 本学会総会のテーマは「実践知の核心と先達の信念」といたしました。このテーマにしたのは二つの理由があります。ストーマリハビリテーションの臨床や学術集会での症例発表では、実践を通して得た知見が集積されています。それは一見、さまざまな方向性の違う報告でありエビデンスとして洗練されたものではないが、そこには確かに核心となる知恵が隠されていると思います。当学術集会では、それらの「実践知」を集積して「核心」となる方向性を見出したいと考えています。
 四国は四国八十八か所のお遍路の地です。そこには「先達」と呼ばれるお遍路さんの先導者となる人達がおり、お寺での作法や縁起を説明するだけでなく、1200年の四国お遍路の素晴らしさを熱く教えて頂けます。その想いに打たれお遍路に深く足を踏み入れる人も多く私もその一人です。ストーマリハビリテーション教育も、献身的にストーマリハビリテーションの発展に信念をもった諸先輩方によって導かれてきました。今では、全国に講習会、研究会があるほか、地域密着の勉強会組織や相談窓口開設など献身的にストーマ保有者のために活動している人や、地域での学術的知識の付与を担っている人もいます。また、排泄ケアの専門職も多様化しており、その方たちの知恵や技術はストーマリハビリテーションにも役立てることができます。当学術集会では、ストーマ・排泄リハビリテーションの「先達」の方の活動に焦点をあてたいと考えています。私は臨床一筋にきておりましたので、臨床の方、参加者のニーズに沿った学術集会にしたいと企画を考えています。
 ポスターは、さまざま経験を通して、適切な判断をくだすことができる知恵の1本の径(実践知)がああり、その径を自分自身が先頭に立って踏み固め、献身的にストーマリハビリテーションに向きあう(信念)をもった指導者(先達)が、後から来る人をその径の先にあるもの(核心)に導くことを表現しました。
 香川県は温暖な気候で過ごしやすく、讃岐うどん、骨付き鶏だけでなくオリーブやおいりなど地味ですが美味しいものがあります。ぜひ、それらまんでがん(全部)堪能しにおいでくださいますようお願い申し上げます。
    第39回 日本ストーマ・排泄リハビリテーション学会総会 
会長 山本 由利子(高松赤十字病院 看護部)